新型コロナウイルスの影響で、日本でのオンライン教育の導入や推進が急がれています。今回の記事では、オンライン教育の課題について取り上げたいと思います。
オンライン教育のことを語る前に、教育全般について語りたいと思います。教育を英語にすると「education」ですが、このことばの語源は「elicitation」で、「引き出すこと」です。
つまり、学習者の良い部分を引き出すことこそが教育だとされているのです。
このために、学習者が自ら学ぼう! という態度を持ち、それを実践に移していく必要があります。
では。オンライン教育では、果たしてこのような取り組みは十分にできるのでしょうか?
オンライン教育で学習者が困っていることして「何を話せばいいかわからない」ことが挙げられます。学習者がオンラインによる画面越しのコミュニケーションになれていないからでしょう。
また、教師との距離感がつかめないことも挙げられます。やはり、普段のコミュニケーションとは違うオンラインによる対話では困難が起こるようです。
これらの問題では、学習者が自ら学ぼうという意識を持つのは難しいのではないでしょうか? 教師の一方通行、あるいは講義型の授業になってしまい、学習者が自分で発見して学んでいく機会が少ないからです。では、それをどう乗り越えるかについて私見を述べます。
やはり、学習者が自ら学ぼうという態度を持つためには、発見型の学習を推進するべきです。授業の外の時間を使って、なにか課題を用意しておくのです。例えば、英語の授業ならば、英語の単語の日本語訳をただ調べるだけでは、生徒の自主性を養うことはできません。さらに踏み込んで、その単語が使われている実例文を探してこさせること名護が考えられます。学習者はおおむねインターネットを活用した場合、YouTubeなどで自分の興味を持つ情報に触れようとする精神は持っているようです。
ですので、授業の外の時間を活用して、生徒に調べさせたり、発表のために準備したりする時間を作ります。そこから、授業中はその調べものや準備の発表の時間にすることをおすすめします。
このように、インターネットを十分に活用することによって、オンライン教育の課題は少しずつ乗り越えられるのではないかと考えられます。
これからオンラインのみならず、人工知能の導入も騒がれています。そこで必要となるのは、自分の力で問いを作ることのできる学習者です。
これまでは問いを。時間を使って「解く」だけでよかったかもしれませんが、オンライン教育・人工知能時代ではそうはいきません。自分で「作る」ことのできるような学習者が求められます。しいてはそのような教育で育った社会人が必要とされるのです。
新型コロナウイルス時代という「ターニングポイント」を機に、これからどのような教育の在り方が望ましいのか、この記事がそのヒントになればありがたいです。
この記事のライター
和泉敏之:
1986年香川県出身。高校英語講師などを経て、現在は作家として活動している